練習のコツ
- 2014.03.30 Sunday
- 21:35
本来は「音楽ブログ」というという設定ですので、
今回も音楽の話題を続けましょう。
今日は「練習について」です。
ピアニストになるためには「練習、練習、また練習」が欠かせない、と皆さんおっしゃいます。
私は耳が痛いです…。
「練習が何よりも好き!」
という人は、どうも少数派のような気もします。
練習すること自体が「オンガクする」という行為に昇華されている人は別ですがね…。
以前私が教えていたウィーン国立音楽大学には、世界中から優秀な学生が集まってきます。
ピアノ科を目指して受験する学生のほとんどはプロ志向。
すでに演奏活動を始めていたり、国際コンクールの受賞歴を持っている学生も少なくありませんでした。
ウィーンの教室で指導中。若かったなあ…。
そんな学生たちに、練習量のことを話すことがありました。
こうしたレベルでの練習量最低ノルマは「週35時間」ということにしていました。
よく「毎日8時間練習する」なんて話を聞きます。
物理的にも可能で、実際にやっている人もたくさんいます。
ただ、このペースを365日保つとなると、これはかなり厳しい…。
できない日もあるし、気が乗らないときもあるでしょう。
「嫌だな〜」
と思いながらやる練習は、果たして役に立っているのか…?
週35時間というと、単純に日割りにすれば1日5時間。 楽勝のようにも思えます。
だって、がんばって午前中に3時間練習してしまったら、あとはたった2時間ですもん。
ただ、実際にやってみると、かなりきついです。
時間のある日には時間のない日のノルマをこなさなければなりません。
練習できない日があったら、その日の5時間を前後でやりくりしてつじつまを合わせるのです。
さて、練習時間の総量はともかく、問題は質。
世の中には「練習曲」と呼ばれるものがうんざりするほどあります。
中でもショパンやリストの練習曲はピアニストにとっての定番で、必ずやります。
で、相当てごわいです。
必死に、みっちり練習する。
片手ずつ、ゆっくりと、あるいはリズム練習も。
そうして数時間を過ごし
「ああ、とりあえず今日は目一杯練習したぁ」
と、満足感にひたります。
身体も適度な疲労感を覚え、充実した感じ。
さて、その翌日。
「昨日あれだけ練習したのだから、上手になっていないわけがない」
と確信して、大いなる期待を胸に秘めて試してみます。
えっ? ガ〜ン ありえな〜ぃ…
ちっとも上手になっていません。
よくあることですが…。
私流のコツは
本当に、本当に、みっちり練習したのだったら、
その曲はその後2〜3日は放置する
というところにあるのです。
そうすると、
「ん〜、もしかしたらちょっとマシになったかも」
という実感を感じやすいです。
こと筋肉に関することは、どうも「連日」というのは思ったほど効果が上がらないようです。
筋トレしかり、ボディービルしかり。
プロ野球のピッチャーのように「中2日」ぐらいで登板するのが理想的なのかも知れません。
ただ、この「中2日」、ピアノの場合はまるまる休んではいけません。
他の作品をみっちり練習して下さい。
こうしたローテーションをうまく組めるようになると、 レパートリーも増えてきます。
また、コンサートピアニストとして活動を始め、
「毎日全曲を練習するのは不可能」
という状況でもレベルを維持するために欠かせない能力なのです。
お試しあれ。
膝の手術直後のカーヤ。膝が痛いので、こうやって毎食ご飯を食べてました。練習すれば、できる!