リサイタル終了〜!
- 2015.09.29 Tuesday
- 22:05
久しぶりの大イベントが終わりました
…というか、終わってしまいました。
この数ヶ月間というもの、この日に照準を合わせ、毎日を積み重ねてきたのです。
朝ごはんを食べながら「今日はどの曲を揉もうかな」と考えます。
「あの準備はどうしよう」「この準備は間に合うかな」と、
すべてはこれを中心にまわっていました。
そう、還暦記念のソロ・リスタート・コンサート。
演奏活動自体は続けていたものの、本格的なソロステージは10年ぶりでした。
若かったときのようにはいきません。
弾き終わって反省すべきところは多々あるものの、
まずは無事、成功裡に終わりました。
幸せです。
ほぼ満席のホールで弾けたのも、演奏家冥利に尽きる喜びでした。
今回のコンサート、自分一人の力でできたなどとおこがましいことは、
口が裂けても言えません。
ほんとうにたくさんの方々に支えていただきました。
心配だったお天気も味方してくれて、とてもラッキーでした。
でも何にも増して一番感謝しなくてはならないのは、
カヤニカまま
まさに、この人であります。
カヤニカままの存在なくして、私の人生はありません。
糟糠の妻=貧しいときから連れ添って苦労をともにしてきた妻by大辞泉
そう、まさに、それ。
皆さん、なかなか信じて下さらないのですが、
私どもはその昔、かなり厳しい環境下での結婚を強行した結果、
完全に自立する以外の道は残されておらず、
経済的にはそうとう切羽詰まっていたのです。
「日本人として初めてウィーン国立音大ピアノ専攻科の講師に抜擢された」
とはいうものの、実態は「えっ?」と驚くほどの安月給。
正にその日暮らしの自転車操業でした。
日本からウィーン旅行に来る知人の知人が
「今井先生にお願いすれば大丈夫」と入れ知恵されて
「オペラのチケット、買っておいて下さい」と頼んでくるのですが
「買っておいて、はいいけど、資金はどうするよ〜」
というわけ。
「今井というのがウィーンにいるから」と紹介してくれた
知り合いのメンツをつぶすわけにもいかないですからね、
「前金でお願いします」とは言えません。
友人が「泊めてくれ〜」と頼ってきても
「おそらく何とかなるだろう」
と神を信じるしかありません。
ま、若かったからできたことでしょう。
でも、カヤニカままは常に明るく笑顔で、毎日を乗り切ってくれました。
そしてそれから30年。
今でも、ここぞ、という時にはあの小さい身体で
「うんしょっ」
と支えてくれます。
今回のコンサートもそうでした。
たくさんのわがままを言い続けてきたかやにかパパとしては、
面と向かって「ありがとう」とはなかなか言えないのですが、
そう思ってます。ほんとです。
「ありがとう」と「ごめんなさい」を言えないやつは人間の屑だっ!
とはカヤニカままの口癖で、
私はそれを聞かされるたびに心がズキ〜ンと痛みます。
でも、実はね、と〜〜っても感謝してるし、
カヤニカままがいないところではこっそり
「ゴメンしてね」
とつぶやいているのだぞ。
というわけで、コンサートがどうだった、というのは別にして、
この場をお借りして表明したいと思います。
カヤニカまま、ほんとにありがとう!
はやく疲れを癒して、元気に長生きして下さい!
もっとぐっすり寝て下さい。
食べたいもの、我慢せずに何でも食べて下さい。
買いたいもの、何でも遠慮せず買って下さい。
心から感謝しています!
ありがとう!