こりゃ無理か…
- 2017.12.28 Thursday
- 14:41
年の瀬です。
年末になると、やはり物事に区切りをつけたくなります。
部屋の掃除もそのひとつ。
しか〜し…
仕事場である自宅スタジオの片付けは無理そうな雲行きです。
実はピアノの大修理が進行中。
今までだましだまし使っていたベーゼンドルファーを
バリバリの現役として復帰させることにしたのです。
ずっと愛用していたスタインウェイのピアノを京都に嫁入りさせたことは
今年5月29日のブログ「ピアノの嫁入り」で報告しました。
その代役をしばし担っていたベーゼンドルファーですが、
音色は麗しいものの、メカニックが万全ではなかったのです。
メインとなる作業は以下の通り。
・ハンマー交換・再調整
ハンマーの接着には膠(にかわ)を使います。その後アクションの再調整。
・チューニングピン交換と弦の張り替え
チューニングピンにチョークの粉をまぶしてドリルでねじ込みます。すごい騒音…。
・ダンパーフェルト更新
使い込まれた自作の工具。白いのはダンパー用のフェルトです。食べ物ではありません。
まさに発音に関わる心臓部の交換です。
鍵盤の象牙の貼り替えは数年前にやってあります。
そんなわけで、レッスン時には電子ピアノを使っていますが、やっぱり不自由です…。
これだけの大仕事を通いの作業でお願いできるのはほかでもない、
私が全幅の信頼を置いてピアノのお世話を委ねている照沼純氏です。
昨年1月23日のブログ「大修理」をご覧下さい。
このブログにも登場した私の教え子、松田ゆかりさんは
この当時まだ技術者としてはひよっこでしたが、その後大きく成長し(体重は変わりません)、
今回の作業ではお手伝いとして参加してもらいました。
松田さんの希有なキャリアに関しても、このブログで再チェックして下さい!
ところで、このベーゼンドルファー、
正真正銘のベーゼンドルファーであることは120%確実なのですが、モデル名が不明です。
製作年も不明。通常は響板の中央に刻印されている番号が見当たらないのです。
フレームにも何もありません。
内部に打たれている番号は作業番号なので解明の役に立ちません。
でも、これとまったく同じモデルを見たこともあるし、何らかの情報は存在するはず。
特徴をリストアップしてウィーンの本社に問い合わせてみようと思っています。
1月初旬には修理完了します。
どんな楽器になるか、楽しみだなあ!