旅立ちの日…
- 2018.09.16 Sunday
- 07:54
1990年頃にウィーンでに出会い、わが家の一員となりました。
その後あまり弾かれることはなかったものの、いつもさりげなくそばにいてくれた
「シュトライヒャー」というピアノが、とうとうヨメに行きました。
1843年にウィーンで作られた楽器で、このブログでも何回か登場しています。
嫁ぎ先のダンナさんは私も良く知っている名チェンバリストで、
これ以上はない、良き縁組みとなりました!
これからは楽器として実際に弾かれる機会が増えることは確実で、
ピアノ自身も喜んでいるに違いありません。
嫁入り前の最終調整。
いよいよ、荷造り。
入念に梱包されます。
スタジオからの旅立ち…。
自宅横の坂道を下り…
トラックに積み込まれました。
空きスペースが寂しく、うつろです…。
ところで、この9月にワルシャワで
第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール
が初めて開催され、日本人の川口成彦さんが堂々の2位に入賞したのです!
ショパン時代の楽器を使ってショパン作品の演奏を競う、というものですが、
シュトライヒャーもそんな楽器のひとつ。
実際に体験してみると
この曲はこんな響きだったのか!
という驚きがいっぱいです。
NHKもドキュメンタリーの収録に行っていた、という話もあり、
ということは、日本でピリオド楽器のブームが巻き起こるかも。
この楽器を「売ろう」と決心した2年前にそんな気配はなかったのですが、
もしかすると世の中の風向きが変わるかも知れません。
そんな時にこの楽器を手放してしまうことが、果たして正解だったのか??
──わかりません。
でも、自分自身はやはりモダンピアノの方が好きです。
…というところで、さりげなく宣伝を。
2019年(来年です)10月19日(土)の午後、東京は上野の文化会館小ホールで
久しぶりのきちんとした東京公演を行うことが決定しました。
ハイドンとシューベルトを弾きます。
地味なプログラムですが、心をこめて演奏します!
それはさておき、これからのピアノ界、どうなるのでしょうね。